歴史論


科学は経験的手法と合理的手法によって成り立っている。

経験的手法とは、実験や観察を通して自然界の事実を収集する作業であり、

合理的手法とは、その事実の中にひとつの法則性を見出し仮説を立てることで

ある。そして、その仮説を実験によって立証する。

科学的方法論とは以上にような帰納的方法をとるものである。


現代においては、すべての学問分野に科学的方法論が、採用されている。


従来の歴史研究は、歴史的大事件や過去の偉人の業績をただ単に

記録にとどめたものに過ぎなかったため、時代から取り残される

ことになった。




そのため歴史家は、歴史研究が科学の時代でも十分通用する学問になる

ために努めることとなる。


現代の歴史研究は、まず人間事象の底流にある傾向を分析し

そこに法則性を見出す。そこからひとつの仮説を立て

歴史的事件をもとに検証しながら仮説の立証をし、将来に備えて

とるべき行動の指針を示す学問へと変貌を遂げてきた。






したがって、今までは事実の収集をするだけの

経験的手法のみで歴史が語られてきたが、

現代の歴史学はそれにとどまらず、合理的手法を

備えた「科学」として充分成り立つ…という歴史家の主張が歴史論の

大半を占めることとなる。










「英語の神髄」より。